虚西充妃


基本情報

死神幹部紅一点、虚西充妃の考察です。

 メガネをかけた秘書風の女性死神で、組織の参謀役です。
 最小の努力で最大の利益を得ようとするような性格で、保身的で計算高いです。
 計算高く冷酷な性格で、一部の死神から鉄仮面、氷の参謀と呼ばれています。
引用元:すばらしきこのせかいコンプリートガイド

 虚西が愛用しているのと同じデザインの『あのこのワンピ』にも『これを着ると冷酷になれる』とあります。
 協調性を重んじており、同じ幹部の南師とは犬猿の仲です。

 自分の分析に絶対の自信がある反面、不測の事態やビイトのような行動の読みにくい人物が苦手のようです。

 死神の名前にはそれぞれ干支が含まれており、虚西は『寅』(トラ)です。

『いまいましいクソザル…私にはアンタを分析するのはたしかに無理だわ』
引用元:ビイト編7日目 虚西の台詞


ストーリーでの活躍

 ビイト編のゲームマスターを担当しました。
 当初は参加者が一人という状況だったため、自ら手を下すことなく、部下にネクを消滅させるよう命令を出していましたが、死神ビイトの造反という思わぬ事態に、虚西自身が参加者の前に姿を現すことになります。
 ビイト編2日目に出したミッションは、異質なものでした。

『この私を倒すこと。制限時間は6日間』
『私は今からある場所へ移動します。そして6日間そこから動きません。』
引用元サイト:ビイト編2日目 虚西の台詞

 それ以後はビイトの影に隠れて、参加者二人を観察します。
 ビイト編7日目に、南師と取引するためにネク達の前に姿を現します。渋谷の危機に乗じてゲームの指揮者になることが目的であることを自ら明かし、南師のコンポーザー打倒に加担します。
 虚西はネク達と戦闘し、ビイトの予想外の戦闘力と、ネクがライムノイズを召喚できたという予想を超える事態を前に、消滅します。
 散り際にビイトのエントリー料を教えるという、置き土産を残していきました。

 『つまり…妹は兄のことなんて なんとも思ってなかったのよ…』
引用元:ビイト編7日目 虚西の台詞


以下公式の情報から得た推測となります。

戦闘力

 各死神のステータスを見てみると、作中に登場する幹部内ではATKの値がワーストであり、全ての死神の中でもワーストです。
 そんな彼女が幹部にまで上り詰めたのは、『幻覚』という能力の賜物と推測されます。
 虚西のバトル形態は4段階に分かれており、渋谷川にいるにも関わらず、バトルフィールドが渋谷の上空や白い空間などに様変わりしていきます。
 ですがこれは全て虚西の見せる『幻覚』です。さらに虚西の第1形態では、特定のノイズを白い混沌の中心に投げ込まなければ、虚西に攻撃することすら不可能です。
 ネク達は羽狛からのメールにより、虚西のバトルスタイルを知っていたため対応することができました。しかし事情を知らない参加者には、かなりの強敵となるでしょう。
 以上の理由から虚西は『幻覚』と大量の『影』を用いた独自のバトルスタイルで、死神幹部まで上り詰めたと推測できます。



バトルスタイルに関する疑問

『まずは禁断ノイズを混沌の中心に投げ込め
彼女の本当の居場所を捜し出すんだ
そこから君たちの本当の戦いが始まるだろう』
引用元:ビイト編7日目 羽狛からのメールより

 さて、虚西のバトルスタイルに、一点疑問があります。
 禁断ノイズを混沌の中心に投げ込まなければ、虚西にダメージを与えることすらできません。
 これは一つの問題です。
 何故なら、禁断ノイズは通常存在しないはずのノイズだからです。

 他のノイズを中心に投げ込むと、虚西が回復するか、パートナーにダメージを与えてしまいます。もちろん虚西には一切攻撃ができません。
 普段の死神のゲームで事前知識のない参加者が、虚西と対峙した時、果たして虚西にダメージを与えられるのでしょうか。
 
 これはあくまで推測ですが、虚西は『幻覚』と影を用いた布陣、そして禁断ノイズという本来なら存在しないものがいなければ攻撃されないという圧倒的なイニシアチブがあるからこそ、今まで幹部として活躍していたのでしょう。
 無敵の布陣を持つ虚西は、敵に回すと非常に厄介な存在です。

 渋谷川南師があえて虚西の取引に応じたのは、虚西と直接戦って戦力を消耗するよりも、コンポーザーとの戦いのために戦力を温存させることを選んだと推測されます。



『愛を持てなかった虚西』

  シークレットレポートにて、虚西がいくつか話題に上がっています。
 虚西に批判的な意見が目立ちますが、興味深い内容がいくつかあります。

 『愛を持てなかった虚西』
引用元:シークレットレポート22 p.3より

 そもそもシークレットレポートで言われる、『愛』とはなんでしょうか。
 虚西が愛を持てなかったと批評する反面、北虹のことは『指揮者の愛情あふれる暴走』と記されています。
 北虹の暴走とは渋谷変革のために、レッドスカルバッジを使って、渋谷全域を洗脳状態にしたことを指しています。
 シークレットレポートの筆者である羽狛早苗の最大の関心事は、『渋谷が存続すること』でした。
 そんな羽狛にとっての『愛情』とは、すなわち『渋谷への愛情』、ひいては渋谷へのこだわりであるだったのではないでしょうか。

 作中では様々な参加者や死神が、それぞれに渋谷についてこだわりを持っていました。
 渋谷の変化にいち早く気付いた狩谷。渋谷を変えると決意した卯月。渋谷を守るためにコンポーザーに立ち向かった北虹。停滞した渋谷を『こんなの渋谷じゃない』と断じたネク。
 これら渋谷に関するこだわりが、全て渋谷に注がれた『愛』だったとしたら、
 虚西は『渋谷へのこだわり』を持っていなかったのではないでしょうか。


 その根拠として、虚西にはこんな台詞があります。

『私は統治者に従属するだけです
 その統治者が誰であるかはたいした問題ではありません』
『コンポーザーなど誰でもよいのです』
引用元:ビイト編7日目 虚西の台詞より

 渋谷にとって、最も重要なこととは何でしょうか。
 それはコンポーザーという存在です。
 コンポーザーがいなければ、渋谷は存在することができません。渋谷の在り方を決めるのは、コンポーザーの判断です。
 渋谷に愛情を持っている者にとって、コンポーザーが誰でどんな人物であるかは、最大の関心事であると言えるでしょう。

 私は統治者に従属するだけ、ということは、渋谷についての将来を全く考えていないことの表れです。
 さらに従属するコンポーザーにさえこだわりがないのです。

 虚西のこだわりのなさを、羽狛は渋谷への愛情を持てなかったと記述したのでしょう。

引用元、参考

シキ編4日目、ビイト編2日目、ビイト編6日目、ビイト編7日目、シークレットレポート16、21、あのこのワンピHELP


2020.04.30 『愛を持てなかった虚西』を追記
2020.04.27 公開
旧サイトの虚西の考察はこちら。


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