タイトルについて本気出して考えてみた

すばせかは1日ごとにその日の流れに合わせたタイトルがつけられています。
そのタイトルの由来や込められた意味について、考察もとい想像してみました。
タイトルのフォントなども含めて色々考えているので、本編をプレイしながら、もしくは攻略本を見ながら読むとわかりやすいかもしれません。

シキ編

1日目 『死神のゲーム』

ネクは目が覚めたらいきなり人間の思考をのぞけるようになり、化物に追われとてんやわんやな一日の始まりを迎えます。
さて、そんな中ハチ公前で自分を助けてくれた女の子、シキが言います。
『キミだって死神のゲームに参加してるじゃない』(1)と。

というわけで、舞台となる死神のゲームという重要なキーワードが、最初のタイトルに採用されています。

2日目 『私を殺さないで』

タイトルの元になったのは、シキが消滅させられそうになった時に呟いたセリフです。

この時のシキは、精神的に追い詰められています。
まず、慣れないエリの姿をしていること。
EDで登場したシキの服装から見るに、普段はパステルカラーと、丈も今風に比べて長いスカートを好んで着ていたようです。髪は脱色していないショートカットでした。
(実はエリのようないかにも渋谷系の服装に憧れていたけれど、自分には似合わない。地味な方がいいと思っていたのかもしれませんが)
エリは全く逆で、原色のピンクなど目立つ色や露出の高い服を好みます。
普段は露出度の低い服を着慣れているシキにとって、いきなりエリの容姿に露出度の高い服というのは、衝撃だったのではないでしょうか。
さらに、シキは憧れのエリになれたことで有頂天になり、エリになりきろうと無理な言動を取っています。
エリの真似をするのは、精神的にかなり辛いものです。

そして、次にパートナーのネクとの不仲です。
ネクは当時シキに心を開かず、記憶も取られているのも相まって、かなり神経質になっており、ひとりになることを望んでいます。
エリの言動をトレースしたシキとネクが、うまくいくはずもないのです。
常に気まずい空気が流れていても、ネクと行動を共にしなければならず、せっかく知り合えたビイト達をネクが拒絶したことで、仲良くなることができませんでした。

とどめに死神の八代卯月に、死神のスパイ疑惑をかけられ、ネクに殺されかけてしまいます。
この『私を殺さないで』というセリフは、危機的状況に瀕していることだけではなく、私をこれ以上精神的に追い詰めないで、というSOSだったのかもしれません。

3日目 『信頼できるヒト』

A-EASTの主を倒すミッションが出題された日です。
最初はぎくしゃくしていたネクとビイトが和解し、次の日から協力してミッションをクリアすることを決意します。

なぜかヒトの部分だけカタカナですが、これは参加者は厳密にはRGの生きている人間ではありませんよという暗示なのかもしれません。
もしくはシキがこのタイトルをつけたという設定なら、可愛さを出そうとしたのかなとも思いました。……と思ったら、文字の雰囲気がシキ編2日目とだいぶ違いますね。

4日目 『消滅』

ライムの脱落により、ネクたちは初めて失敗すれば『消滅』するという、過酷な現実をつきつけられます。

シキ編3日目までは、手書き風のフォントだったのが、この日のタイトルだけは文字の下半分が溶けて、おどろおどろしい雰囲気が出ています。
それだけ消滅するかもしれない現実に、焦り動揺しているのかなと思いましたが、よく見ると、ライムの消滅を嘆き悲しむビイトたちの涙を表現しているようにも見えます。

5日目 『空虚な都市伝説』

『死神さん』が初登場した日です。
都市伝説は死神さんのことです。
RGの人々はこのおまじないを、死神さんという目に見えない不思議な存在がコインを動かしていると信じているのですが、実際は参加者たちがサイキックを使ってコインを動かしています。

だからこそ、からくりの知っているUGの人々にとっては空虚なものに映ってしまうのでしょう。

さてこの日のタイトルにはいくつものバツ印がつけられ、まるで切り刻まれているかのようです。
これは、おまじないの結果がコインを動かすUGの人間の胸先三寸で決定するというどうしようもないものだ、というUGの住民が死神さんを否定しているように感じました。

もしくは、種も仕掛けもあるものだけれど、そんなものでもRGの人を救うこともできるんだ、という意味を込めて、『死神さんは空虚なんかじゃない』というメッセージなのかもしれません。

6日目 『プライド 劣等感』

この日はついにシキの本心が明かされます。
自分を認めて欲しいという自尊心と、どうしても親友エリに届かないという劣等感が、ネクの協力によってついに解消されます。

非常に文字では表しにくいこのタイトルは、ぜひお手持ちのすばせかを起動してご覧ください(笑)
相合傘の下にプライドと劣等感が書かれ、傘の上にはハートマークが書いてある、なんとも可愛らしいタイトルです。
文字も相合傘もいきいきとしていて、コンプレックスを解消できたシキの晴れ晴れとした気持ちを表現しているようです。

さてそんな相合傘の横に、小さく鳥居か門のような模様が書いてあります。
鳥居のマークは、魔除けに使われることがあるそうなので、『これから先どんな困難があっても、エリに追いついてみせる。昔の私には戻らない』というシキの決意表明の証だったのかなと思います。

7日目 『醒めない夢』

ネク達は、ゲームマスター東沢との直接対決や、ビイトの失踪など波乱の最終日を迎えます。
ついにゲームマスターを倒し生きかえれる……かと思いきや、ネクは再びスクランブル交差点に戻されてしまいます。

5日目のタイトルのように文字がところどころ刻まれており、特に夢という字が執拗にズタズタにされています。

参加者たちにとって、死神のゲームは悪い夢のようなもので、ネクは7日間勝ち残れば夢から覚めるように現実に戻れるだろうと思っていたようです。
ですが、死神のゲームは夢などではなく現実だ、と思い知らされた結果、夢という文字が否定されました。


ヨシュア編

1日目 『ルール』

前回のゲームで勝利し生きかえるはずだったネクが、何故か再びゲームに参加することになります。
この日の大きな出来事は、新しいパートナー・ヨシュアとの契約と、新しいゲームマスターの登場の2つです。

さて、この日のタイトルは『ルール』。
ルールとは、一体なんのルールを指すのでしょう。

まず、この日の冒頭でネクは新しいパートナーのヨシュアと契約します。
ヨシュアはシキと全く違う戦闘スタイルを取っています。
パートナーで唯一ガードができないヨシュア、しかも初期段階ではレビテーションが使えないため、苦戦した人も多いのではないでしょうか。
つまり、パートナーが変わったことで『戦うためのルール』が変わったのです。

そして、ゲームマスターも交代しています。
以前のゲームマスター東沢は、組織に従順で規則や先人達に倣ったゲームを進めていたようですが、南師は全く逆です。
掟破りと言っていい程のゲーム進行に、現場の死神達は混乱していた模様。
せっかくのゲーム開催中に、戦闘部隊に待機を命じるゲームマスターは、そうそういないでしょう。
卯月や狩谷の会話を聞くに、南師は普段から常人には理解できない行動で、周囲を振り回しているようです。
ゲームマスターにもそれぞれゲームの進め方があり、GMが交代したことで『ゲームの進めるためのルール』も変わったのです。

また、ヨシュアが南師を『カブキ者』と言っていますが、カブキ者とは傾奇者とも書き、『異風を好み、派手な身なりをして、常識を逸脱した行動に走る者たちのこと』(2)なのだそうで、『常識というルール』から逸脱した南師を皮肉る言葉だったようです。

さらに、ヨシュアは死神のゲームとは別に、もう1つのゲームに参加しています。
死神のゲームとは異なる『ルール』のゲームに。
まだ気が付いていませんが、ネクもまたヨシュアと同様に渋谷を賭けたゲームに参加しているのです。

2日目 『死神』

ゲームは2日目。ゲームマスター南師から、『マブスラ大会の優勝賞品のAuバッジを入手せよ』というミッションが出題されます。
ミッションは無事、ナオとソウタのペアがクリアし、ゲームは続行されますが、ゲームマスターのお気には召さなかった模様。
そしてネクがゲームに再参加した経緯が判明します。
ついでに『トイレに行って手を洗ってないところまでは聞いた』という名言も生まれました。

さてそんな2日目ですが、何故今更『死神』というタイトルなのでしょう?
今まで散々死神は出てきているし、今回のゲームは南師さんしか表立って行動していません。
どうもこの死神というのは、役職の死神とは意味が異なるようです。

ネクは生きかえるために再参加を決意しましたが、そのせいで生きかえるはずだったシキがエントリー料に徴収されてしまいます。
そしてアナザーデイでは、自分のせいで友人が死んでしまったことを、ネクが悔やむシーンがあります。
もし本編のネクも同じ体験をしていたとしたら……、「また自分のせいで大切な人が死んでしまった」と、内心自分を責めています。「俺は、『死神』だ」と。

そしてビイトは、妹ライムを復活させるために、『死神』の道を選び、指揮者北虹から桜庭音操抹殺の指令を出されています。

この日は黒いノイズが出現し、参加者を狩りにやってきます。
禁断ノイズは参加者も死神も見境なく襲いかかる、文字通りの死神なのです。

まだ明かされていませんが、ヨシュアはネクをRGで銃殺し、ゲームに巻き込んだ張本人です。
さらに渋谷を崩壊させようとする自分を、どこかで『自分は死神だ』と責めていたのかもしれません。

よって、この日の死神というのは、自身を責め立てるネク、妹のために死神になったビイト、参加者を狩る禁断ノイズ、ネクを殺したヨシュアを指すのです。

3日目 『ストリートを漂流』

ミッションが出題されないのをいいことに、ヨシュアの赴くままに渋谷のストリートを駆け回ることになります。
ヨシュアの気ままさにネクが翻弄される様をさして、このタイトルがつけられたようです。
そして北虹の戦略を調べるために、ヨシュアはネクを引っ張り回しているのですが、まだ戦略をつかめていません。
ヨシュアにとっても、音操にとっても、あてもなくストリートを漂っている状況なのです。

4日目 『バッジ』

ヨシュアの提案に乗り宇田川町へ行ったところ、南師の禁断精製陣を発見したり、ネクの死に際にヨシュアが関与していることが発覚したりと、ストーリーが大きく動く日です。

なのに、この日のタイトルは何故かバッジ。
バッジの文字を大きく丸で囲って、重要さをアピールしています。

デスマーチのマイク探しを手伝っている最中、スクランブル交差点に移動すると、レッドスカルバッジの宣伝がQフロントから流れてきます。
この日、指揮者北虹の切り札とも言えるレッドスカルバッジが、ついに渋谷で本格的に流行りだしていることに気付いて欲しいというサインなのです。

5日目 『テリトリー』

この日は携帯電話の修理をしてもらうため、キャットストリートに向かおうとするところを、狩谷・八代のコンビニ阻まれてしまいます。
ヨシュアが只者ではないことに勘づいた狩谷が、ヨシュアの正体を掴もうとしたためです。
これは自分の長年暮らしてきた渋谷という『テリトリー』を、ヨシュアが荒らしに来たのではないか。もしかしたら次期コンポーザーになろうとしているのではないかと思い込んだ模様。

そしてテリトリーを荒らされまくっているもうひとりの被害者が、ネクです。
パートナーのヨシュアが、自分を殺した張本人だと思い込んだネクを、煽るような言動を繰り返します。
シキを助けたいネクに対し、事情を知っているにも関わらず全く同情せず、『ミッションをサボろう』と言って渋谷中を連れ回します。

さらにヨシュアを疑うネクに対し、死に際の記憶を話題にしたりと、精神攻撃を続けています。
恐らくヨシュアはネクがどこまで精神的負荷に耐えられるか、またどのように自分と交渉するかを見るために、あえて煽るような言動を続けていたのでしょうが、やられる側はたまったものではありません。

引用文献、参考シーン、補足など
(1)シキ編1日目 シキのセリフ
(2)wikipedia - かぶき者 より引用
★2012年12月9日up★
2013年4月11日 更新