世界観考察その1 世界の大元編

すばらしきこのせかいの世界観についての考察、第1弾です。
すばせかの世界では『ソウル』と『イマジネーション』が世界の元になっています。

ですが、本編ではほとんど登場せず(シキ編4日目とビイト編3日目で少し取り上げられていましたが)、シークレットレポートで詳細が語られています。
今回はシークレットレポートと本編の情報を元に、考察していきたいと思います。

ソウル

 高次元に住まう天使たちは、長きにわたり『生と死』の研究を行っていました。
 研究の結果、この世界に存在するものは全て同じエネルギーでできていることを発見しました。
 天使はそれを『ソウル』と名付けました。

 ソウルとは、この世界に存在するあらゆる物の元になっている、目には見えないエネルギーのようなものです。
例えば生命体や物質などの実態のあるものから、大気や思考などの目に見えないもの、そしてRGやUGなどの次元、世界そのものの元にもなっているとも言えます。

ソウルの具体例

 思考もソウルでできているとするなら、考え事をするだけで、ソウルが生み出されます。
 例えば何か考え事をしていて、「いいアイディアが浮かんだな」と思うと、そこにソウルが生まれます。この状態ではまだソウルしかないので、実体がありません。
 実体がない状態のソウルは、ちょっとした弾みで四散して周囲のソウルに混じってしまいます。思いついたアイディアをいつの間にか思い出せなくなってしまうのは、このためです。
 アイディアを形にするためには、『イマジネーション』を込める必要があります。

イマジネーション

 思考から生まれたソウルは、作曲すれば楽曲に、描画すればイラストに、文字にして書き起こせば文章になります。
 このソウルにひと手間を加えて、形作る能力が『イマジネーション』です。
 イマジネーションというと、イメージしづらいかもしれません。ですが、私達は日常生活の中でも、イマジネーションを使っているのです。
 例えば料理。料理もソウルとイマジネーションで行われる、立派な創作活動です。
 まず今日の夕飯どうしようか……と考え、家にある材料を元に(なければ買い物をし)、料理を始めます。料理のイマジネーションが巧みな人であれば、おいしい夕ごはんを迎えられますが、そうでなければかつて食材だった黒焦げの何かになってしまうわけです。
 つまり、どれだけ想像(ソウル)が素晴らしいものでも、それを実現するためには、ある程度イマジネーションのスキルを高める必要があるのです。

イマジネーションとは、ソウルに形を与える能力であり、さらに言えばその使用者の意思を込めるための力です。
同じソウルでも、ノイズになるためのイマジネーションを込めればノイズに、人間になるためのイマジネーションを込めれば人間になるのです。

尾藤来夢の変化で見るイマジネーションの違い

イマジネーションの例として、尾藤来夢を挙げます。

まずライムは、人間になるためのイマジネーションを受けて、人間として誕生します。
その後交通事故により死亡し、コンポーザーによって、ゲームの参加者になるためのイマジネーションを込められます。

そしてシキ編4日目にサメ型ノイズに消滅させられますが、羽狛早苗により、周囲に飛び散った尾藤来夢のソウルを集め、新しいイマジネーションを込めました。
結果、尾藤来夢のソウルは、『ライム』というバッジになっています。
バッジを使えば、ライムノイズとして呼び出すことが可能です。
そして紆余曲折を経て、コンポーザーによって、人間として再びRGへ戻りました。

このように、元々は人間だった尾藤来夢は、イマジネーションによって人間、ゲームの参加者、ノイズ、バッジと形態を変化させています。
恐らく尾藤来夢を構成するソウル自体に変化はありません。
変化したのは、尾藤来夢に形を与えていた『イマジネーション』だったのです。

成長とイマジネーションの関係

 さらにイマジネーションは、ソウルの形態を変化させるだけでなく、その人の未来を描くために必要なものでもあります。
 何故未来を描くこととイマジネーションが繋がっているのか。
 それは未来を描くために想像力(イマジネーション)が必要だからです。
 未来を描くイマジネーションが弱ければ、自分の将来をあいまいにしか想像できず、自分にとって理想的な未来に到達することは難しいです。
 けれど、自分の未来の展望をより具体的に想像できる、すなわち未来を描くためのイマジネーションが強ければ強いほど、その目標に到達する可能性は上がるのです。

成長とは

 そもそも成長とは何なのでしょう。私たちは、日々試練を乗り越えることで成長しています。試練というと大げさに聞こえますが、例えば毎朝早起きできるようになりたいとか、テストの点を上げるとか、そういった日常の小さい目標から、自分のコンプレックス、トラウマ、トラブルなどの大きなものも含めます。
 自分一人の力だけで成長することはとても難しいです。料理の腕を上達するにも、初心者が何の情報もない状態から上達するというのは酷なもので、誰かに教わったり、料理本やレシピサイトを参考にしたりするものです。
 他者との交流を通し、自分とは全く違う互いのソウルを共有し合うことを、成長と定義づけます。
 ちなみにすばせか本編では、成長することを『イマジネーションを駆使して競うことで互いのソウルを高めあう』(2)とも表記しています。
 イマジネーションを高めることを繰り返し、人は成熟していきます。
 まずは克服したい問題や、習得したいスキルを発見し、目標を設定します。そして努力を重ね、目標を達成することで成長します。ただ人が生きていく限り、問題や目標は何かと尽きないもので、そのたびに問題を解決していき、人は成長を繰り返していくのです。

2017年7月26日大幅に加筆修正
★2013年8月1日up★