今回の考察は大部分が推測ですので、与太話程度に受け取っていただければなと思います。
また、羽狛早苗氏のイメージを損ねてしまう可能性があるので、彼のファンの方は閲覧する際、どうかご注意ください。

高次元と天使に関する推測 CATの謎

世界の成り立ち


『現在、本来ひとつである意識に人々の壁ができている。ちょうど細胞が集まって、人間を作るように。』(1)
これを読むに、私たち人間はソウルの集合体ですが、渋谷というエリアを作るソウルの一つでもあるわけです。

UG、RGに限った話ではなく、天使の住まう高次元でも同じことが言えるのです。

また指揮者とのゲームの事後処理のための調査という意味合いもあったと思います。
北虹の更生した渋谷はどうなったかと、未来の渋谷を透視したら、渋谷が思わぬ事態になっていたため、原因を突き止めようとしていたのかもしれません。

高次元とは

さてUGよりさらに上の次元、通称高次元と呼ばれる場所に、天使たちが本来存在する世界があります。
そこには私たちと同じように社会組織があり、活動が行われています。(2)

私たちRGの住民も、UGの住民も、ソウルの集合体です。
現時点でUG、RGは『本来ひとつである意識に人々の壁ができている』(3)ため、意識の統一はできない状態にあるのですが、この壁こそが個性であり、人々を1人の人間に区別するためのイマジネーションではないかと思われます。
反面『意識の統一は上では当然の状態』(3)と言っています。

これは、壁がないからこそ、意識の統一ができているとも受け取れます。
つまり、ひとつの意識を共有し合う天使たちのいる高次元は、私たちにある個性というものが存在しない、もしくはかなり希薄なものとも考えられるのです。

推測になりますが、高次元はソウルの集合体であり、そこに住まう天使たちは、「個」という概念がない、ないしは希薄なのかもしれません。
また『本来ひとつである意識に人々の壁ができている』(3)と言っていることから、天使たちはUG、RGもゆくゆくは高次元と同じように、意識を統一した状況にしようともくろんでいることがうかがえます。

ですが、今のところは直接UG、RGに関与するのではなく、自浄作用に任せて、傍観する立場を取っています。(4)

プロデューサー

とはいえ、何もしないままでは、UGやRGが意識統一をできるようになるまで、膨大な時間がかかってしまいます。
なので、UGやRGを監視、ないしは多少の忠告をする役割が存在します。
それがプロデューサーなのです。

プロデューサーの役割は、羽狛早苗が本編でちらっと言っていましたが、UGで行われるゲームを監視することです。
本編では不正を行う死神を取り締まるということをしていましたが、(プロデューサー、天使という)『存在そのものがUG、RGの秩序とルールの崩壊をひき起しかねないため』(5)、基本的に正体は明かさず、直接対面することは基本的に避けているようです。
またゲームの結果を左右するような干渉も厳しく禁止されています。(※1)
(シキ編2日目の桜庭音操たちと八代卯月のトラブルでは、美咲四季が消滅の危機にあったため、間に入った模様。)
ゲームの監視者と銘打っているだけあってか、死神のゲームの細部(たとえば参加者の詳細な個人情報など)は知らされていないようです。(※2)

(※1)『コンポーザーが、並行世界へ退避中の今、代理人の立場は、不利な状態になっている。私も代理人を助けるわけにはいかない。それがプロデューサーのルールだからだ。』(6)という記述から、世界にとってどれほど重要な人物であっても、ゲームの勝敗を左右するような手助けは不可能だと思われる。
反面、シキ編7日目ではビイトにノイズ精製法を教えていることから、違法か合法かは微妙な線引きであるようだ。
(※2)『ライムが何をエントリー料としていたのかは知らないが』(7)という記述から。

プロデューサーは単純に死神のゲームの動向を見守るだけではなく、おそらくコンポーザーに対して何らかの関与をしています。
どういった関与をしているかは一切明かされていませんが、意識統一に関する情報は少なからず伝えているかもしれません。
ともかく、UGの死神たちはUGのルールはコンポーザーが一人で作り上げた、唯一絶対のものだと思い込んでいるのですが、そのルールの中に高次元の意思が介入している可能性があります。

名前のない存在

以上の仮説をもとに、本編で登場した、羽狛早苗という天使を例に挙げてみましょう。
プレイヤーである私たちや、登場したキャラクターたちは、羽狛早苗という一人の人間として認識していますが、果たして登場した羽狛早苗は同じ人物だったのでしょうか?
個という概念のない天使を、どうして一人の人物として認識できるのでしょう。

天使たちに個がない、もしかしたら名前もないかもしれないような存在だからこそ、UG、RGで支障なく活動できるように、『器』を用意しているのではないかと思います。
つまり、UGやRGで人間として偽装できる、肉体と名前、身分を兼ね備えた器があり、それを天使たちは共有しているのではないでしょうか。
羽狛早苗もそんな器の一つであるという推測です。

この推測を元に考えると、シキ編で出会った羽狛早苗と、ヨシュア編で探知機を携帯電話に施してくれた羽狛早苗、ビイト編で禁断精製陣を書き換えた羽狛早苗。
その時その時で羽狛早苗の中に入っている天使のソウルが異なる、つまり厳密には別人だった可能性があるのです。

CATの謎

さて、羽狛早苗のもう一つの顔であるCATの正体は、謎に満ちており、その理由が『CATは顔出し取材を受けない』(8)です。
CATは、絵や音楽、写真、家具、映像など多岐にわたる分野で活動しているマルチクリエイター(9)であり、『あの仕事量はひとりじゃムリ』(10)とファンから言われるほどの仕事をこなしています。
そして『奇抜で型にはまらない』(10)作風と、正体不明というミステリアスな雰囲気から人気を呼ぶようで、CATの正体について様々な憶測が飛び交っています。
『総勢20人のクリエイター集団』(10)という噂に、『全員同じ顔』(10)という尾ひれがついたり、果ては『ネコ』(10)なのではないか等々……。

多数の分野で精力的に活動していることから、『クリエイター集団』(10)なのではないかと言われているのですが、あながち間違いではないかもしれません。

CAT名義で活動している器としての人間は、羽狛早苗ただ一人ですが、羽狛早苗名義で活動している天使は無数に存在します。
だからこそ、様々な分野で活動し、毎回ドギモを抜くような作品(10)を作っているのではないでしょうか。

引用元、参考文献等
(1)シークレットレポート19 p.2~3
(2)シークレットレポート5
p.3
(3)シークレットレポート19 p2
(4)シークレットレポート1 p.1、15 p.3参照
(5)シークレットレポート3 p.5
(6)シークレットレポート15 p.4
(7)シークレットレポート18 p.3
(8)ヨシュア編7日目 ネクのセリフ
(9)cf:ヨシュア編3日目 ネクのセリフ
(10)スキャンより
★2014年5月12日up★