狩谷拘輝

基本データ

下級死神だが幹部に匹敵する実力を持つ。
普段はちゃらんぽらんな態度をとっているが、仕事に関しては至って真面目でプライドも高い。

優秀な下級死神

口調が特徴的で飴を持ち歩いている個性的な死神です。
普段の言動からおちゃらけているように見えますが、狩谷は死神の中でもかなりのベテランです。
狩谷の実力は相当なもののようで、『幹部と同等かそれ以上の能力なのだが、狩谷本人に出世欲がないため、昇進しないだけ』という噂が、組織に入って間もないビイトの耳にまで届くほどです。

後輩からも信頼されているようで、アニキと呼ばれしたわれています。
同僚の八代卯月とは仲が良く、一緒に行動している機会がとても多いようです。

体育会系?

狩谷は公式サイトで『身軽な体育会系の兄貴的存在』(1)と紹介されています。
この体育会系という単語に、違和感があったのですが、これはプライドの高さのことを指しているんじゃないかと思います。

狩谷がシキ編4日目でビイト達に名乗ったのは、プライドの高さが反映されています。
大半の死神は卯月のごとく『参加者はただの点数稼ぎのための道具』程度の認識だと思われますが、狩谷は『参加者はソウルを高め合う対戦者同士』として敬意を持って接しているようです。
武士が戦で名乗り合うのとちょっと似ているかもしれません。
ある意味武士道精神に通じるものがあります。
公式では狩谷の死神のゲームでの心構えを指して、体育会系と言っているのかもしれません。

幹部になりたくない

本来は幹部に匹敵する実力の持ち主で、渋谷の行く末を心配するほど仕事熱心ですが、何故か出世欲がなく、自分の手柄をセーブしているような印象さえ受けます。
やる気のない姿勢は、幹部になりたくないから。
狩谷は渋谷UGが危機に瀕しているのに、手をこまねいているだけの上層部に失望しており、かといって狩谷一人で死神組織の停滞を改善できるわけでもなく、結果としてちゃらんぽらんな態度をとっているようです。


『幹部なんてメンドクセ〜。偉くなってふんぞりかえって何もシナイ…』(2)
このセリフは幹部が雑用を押し付けて、仕事をサボっているように見えることが不服なわけではなく、渋谷UGの危機に対しての処置を幹部たち上層部が何もしないことに失望しているんじゃないかなと思います。
雑用や細々した部下でもできる仕事は、下の者に任せるのは当然のことであり、そのあたりの事情は狩谷も承知していると思います。
渋谷の危機に幹部も気付いていたはずなのに、何の対策もせず放置し、さらに部下に仕事を押し付けるだけの上層部に嫌気がさしていたのではないかと思います。

狩谷の考える渋谷更生プラン

狩谷は優秀な死神です。
幹部死神達と対等に渡り合えるほど戦闘能力は高く、死神たちからアニキと呼ばれ慕われています。
感情の起伏が激しい卯月とうまく付き合っていられるのも、狩谷にリーダーシップがあるからでしょう。
幹部になれる実力も人徳もリーダーシップもある狩谷が幹部になろうとしないのは、やはり死神組織自体に絶望しているからだと思います。

下っ端である自分が気付けるほど、渋谷の危機は顕著なのだから幹部も絶対に気付いているはずなのに、何の対策もせず、他の実行部隊の死神たちで気付いている者さえいません。
そんな状況では、上層部に『渋谷の危機を食い止めるために、何らかの対策を』と働きかけても、実行部隊に『渋谷に危機が迫っている。今こそ団結して、危機を乗り越えるべきだ』と呼びかけても、徒労に終わるのは目に見えています。

幹部になっても、下級死神のままでも渋谷を変えることはできないなら、どうすればいいか。
死神がだめなら、UGの最上位であるコンポーザーが代替わりするしかないと、狩谷は結論づけたのではないでしょうか。
狩谷の言動を見るに、よりカリスマ性のある次代のコンポーザー候補を求めていたように思えるのです。

だからこそ、コンポーザーの座に執着する南師や、渋谷ジャックをもくろむヨシュア、ライムのためにコンポーザーになろうとするビイトに肩入れしていたのではないかと考えます。
ビイト編4日目に『おまえさんがたが持ってるほうがUGにとっても幸せダロ』(3)と言って、ビイト達に自分のキーバッジを渡したのは、恐らく渋谷の異変に気付いた狩谷は、ビイト達に一縷の望みを託したからであり、UGを救ってほしいというメッセージだったのかもしれません。

不可解な行動について1

狩谷はヨシュア編5日目に不可解な行動をとっています。
まず、何故かヨシュアを要注意人物としてマークしており、秘密裏にヨシュア達を尾行しています。
そしてヨシュアが不正参加者でコンポーザーになろうとしていることが判明したにもかかわらず、ヨシュアを見逃しています。
何も事情を知らないネクを尻目に、狩谷とヨシュアの2人は、猛烈な頭脳戦を繰り広げていたようです。

まず状況を整理します。
ヨシュアの目的は、指揮者北虹と自分の代理人を戦わせるために、ネクを渋谷川に誘導し、ゲーム最終日にGM南師の攻撃からネクをかばって、消滅したふりをすることです。
目的を達成するために、『自分は渋谷を支配するために、コンポーザーのいる渋谷川を探している』とネクに嘘をついています。

もしかしたら狩谷はヨシュア編4日目に『自分の目的が渋谷ジャックであり、そのために渋谷川を探している』とヨシュアが話していたのを聞いていたのではないかと思います。
この発言から、狩谷はヨシュアがコンポーザーに成り代わろうとしていることに勘づき、マークし始めたのではないでしょうか。

翌5日目で、遂にヨシュアははっきりとコンポーザーになることが目的だと宣言したことから、狩谷は『遊ぶ』と称して死神たちに2人を妨害させて、ヨシュアの実力を探ろうとしていたようです。
『俺たちはついていけばいいノサ 禁断ノイズが食い付いてくれそうなエサにネ もしかしたらイイモノが見れるかもしれないシナ…』(4)
この狩谷のセリフは、ノイズはより高い素質の持ち主のソウルを好む特性があるため、コンポーザーを志すほどの逸材の前に禁断ノイズが出現する可能性が高いから、この2人を尾行しようと卯月に提案しているのです。
そして重要なのが『イイモノ』。恐らくこの段階で、ヨシュアの波動が参加者の持つものと異なっていること、つまり不正参加者であることに狩谷は気付いていたようです。

ヨシュアは、本来の実力を狩谷に披露すれば、見逃してくれることも全て計算づくの上で、行動していたのかもしれません。
狩谷にマークされていることに何かの拍子に気付いたヨシュアは、自分がコンポーザーになりたいことをネクと陰で話を聞いているであろう狩谷にアピールします。
(※未来を透視する能力から、不正参加者として狩谷に消滅させられる未来を見たのかもしれません。)
新たな渋谷UGの統治者に相応しいことの証明として、能力の制限を解除し、禁断ノイズを一撃で蹴散らします。

狩谷はヨシュアがただのはったりでコンポーザーを目指しているわけではないと気付き、大人しくヨシュアから手を引きます。
狩谷がヨシュアを秘密裏に見逃したのは、ヨシュアが次期コンポーザーになることを、期待しての行動だったのです。

不可解な行動について2

ビイト編2日目、反逆者尾藤大輔之丞を始末するために、死神上層部は『開放バッジ』を全ての死神に配布しました。
狩谷自身は、開放バッジを強制的に装備させられたことを不満に思っていたようですが、内心では喜んでいたように思います。
開放バッジが偽物であることは、身体能力が強化された様子のないことから、狩谷も気付いていたようです。

恐らく、狩谷は何のためにこのバッジを配布したのか考えたのではないでしょうか。
上層部から謎のアイテムを配られたことで、狩谷はついにコンポーザーはじめ上層部が、渋谷の危機に対しての対策に本腰をあげたと思ったのではないでしょうか。

そして開放バッジが配られてすぐに、RGの人々の心の声が聞こえなくなってきていることから、長年くすぶってきた渋谷の危機がついに表面化したと思ったのではないでしょうか。

だからこそ、狩谷は一縷の望みを託し、偽物と分かっていながら開放バッジを持ち続けていたのだと考えます。

開放バッジを配布したゲームマスターの虚西充妃は、狩谷の最も警戒する人物です。
そんな人物からわけのわからないものを渡され、装備するよう命じられたら、少なくとも警戒して装備しないようにしそうなものです。
なのに、偽物だとわかってあえて開放バッジを装備し続けていたのは、コンポーザーはじめ組織の上層部を信じていたからかもしれません。

引用元
(1)すばらしきこのせかい公式サイトより
(2)ビイト編3日目 狩谷のセリフ
(3)ビイト編4日目 狩谷のセリフ
(4)ヨシュア編5日目 狩谷のセリフ

★2012年10月23日up★